昨日と同じ今日。 今日と同じ明日。 世界は繰り返し時を刻みながら、それでも少しずつ変わっていく。 人口約3000人規模の小さな島、銀灯火島。 長閑な日本の田舎町は、近海で熱水鉱床が発見されたことにより、急速に開発が進んでいた。 そこに新設された「すばるの島中・高等学校」に通う高校生・佐藤学は、所属する天文部の部長・片桐麗奈に誘われ、 ペルセウス座流星群を観測すべく、天文台広場へと自転車を走らせた。 陽が落ちてなお汗ばむ夏の夜。 無邪気に笑う片桐が広げた、ピクニックシートとお菓子。 穏やかな日常を覆う満天の星空に、突如として凶星が煌めく。 予報にない彗星は、島へ向け真っ直ぐに尾を引いた。 世界はすでに変貌していた。 誰もそれに気付かず、忘れ去られていたとしても。